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2016年7月16日 (土)

財政改革を求める経済同友会のアピール

 経営者の団体である経済同友会は、毎年、軽井沢で、会員相互の研鑽を図るセミナーを開催している。そして、そのまとめの意味を込めて、「軽井沢アピール」を発表している。ことしは2045年に到達するシンギュラリティ(技術的特異点)を念頭に、「Japan 2.0 SAITEKI社会への挑戦」と題する社会改革案を発表することを決定したという。

 そして、ことしの「軽井沢アピール」はその取り組みに向けて4点にわたる決意表明をしている。ここでは財政改革に大きく関わる『3.将来を担う若者が希望を持てる財政・社会保障の改革を』を紹介する。

 ①「我々が財政破綻も含む将来のシナリオや選択肢をできるだけ具体的に示し、各界各層との対話などを通じ、痛みを伴う改革に向けた世論形成に努めていく。」

 ②「世代間格差の是正を中心とした歳出・歳入両面の改革が不可欠」「年金支給開始年齢の引き上げ、資産や収入に応じた高齢者の負担増と給付抑制などを進める」「子育てや教育など若者への投資を充実させるべきである。」

 ③「消費不振の根底に社会保障に対する不安があることから、消費税の引き上げについて総合的見地から国民の理解を得るとともに、世代間格差の是正と経済成長を支える税制改革に着手すべきである。」

 ④「マイナス金利の下での財政投融資の拡大や赤字国債の発行など、短期的な需要増と引き換えに、将来の国民負担の増大を招く施策は厳に慎むべきである。」

 ところで、同友会は財政改革に関して、これまでもいくつかの提言を発表している。2015年12月に、「経済・財政再生計画(経済財政一体改革)への意見」を発表。「2020年PB黒字化目標を達成し、その先の財政健全化に向かうことが大切」、「税収上振れ分などを全額、借金返済に繰り入れる」などと指摘した。

 また、同じ年の1月には、「財政再建は待ったなし~次世代にツケを残すな~」を発表。その中で、「税収とほぼ同規模の新たな借金を前提とした、我が国の財政運営が行き着く先は、財政の危機・破綻以外にあるまい」、「世界第3位の経済規模である日本が財政危機となった場合、救済者は存在しない」、「”いつか、ではなく、動くのは今”なのである」と訴えた。

 同友会の提言などにおいて「財政健全化」という言葉がタイトルに使われたのは10年以上前。2005年4月の「活力ある経済社会に向けた財政健全化の道筋」がある。それ以降、財政再建、財政改革などとともにタイトルに使われるようになった。ただし、残念ながら、経済同友会の問題提起が政府や与党などにどれほどの影響を及ぼしたのか、定かではない。同友会のメンバーの奮起が望まれる。

 

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