« ヘリマネに行きかねない日銀の異次元緩和政策 | トップページ | 福島第一原発廃炉にいくらかかる? »

2016年8月15日 (月)

日経が警鐘を鳴らす財政危機

 「日本経済は、例えていえば「五右衛門風呂」の状態。「風呂釜(雇用や企業収益)は熱くなっているが、中に入っている「肝心の水(個人消費や設備投資)」はなかなか温まっていない。カギは賃金上昇と企業投資の拡大。」(「アベノミクスの成果と課題」より)。

 なかなかうまい表現である。政府は8月8日に経済財政諮問会議を開催。その金融物価集中審議に民間4議員が出した説明資料「今後の経済財政運営について~デフレ脱却、経済再生に向けて~」に書かれた文言である。

 もっとも、これは伊藤元重東大大学院教授が半年前に産経新聞の寄稿で用いた表現と同じである。民間4議員の筆頭が伊藤元重氏だから、説明資料は同氏の経済政策論を反映したものだとわかる。

 そして、この「肝心の水」をあたためる一環として、安倍政権は8月初め、「未来への投資を実現する経済対策」を決定した。一億総活躍社会の実現の加速、21世紀型インフラの整備、中小企業、小規模事業者及び地方の支援、震災からの復興や安全・安心、防災対策の強化などを掲げ、事業規模28.1兆円、財政措置13.5兆円程度を打ち出した。これにより、GDPをおおむね1.3%程度押し上げることを見込んでいる。

 しかし、国債などの政府(国)の「借金」が1000兆円を超えて、なお膨張し続けているのに、さらに「借金」をふくらましていって大丈夫か。国民にわかりやすく説明してほしいと思う。8月14日の日本経済新聞朝刊一面には、「日本国債」の連載の5回目が載っている。見出しは「敗戦後、失われた預金」、「財政・金融一体化に警鐘」である。

 日本のGDPに対する国の債務残高は249%、第二次世界大戦中の1944年の204%より高い。大戦でもないのに史上最悪に近い。歴史に鑑みれば、財政破綻をきたし、「インフレで債務の実質価値を目減りさせ」たやりかたで、国民の貯蓄をパーにする可能性が高い。そう読み取れる。経済を中心にした総合紙「日本経済新聞」が危機感をあらわにして警鐘を鳴らしている。そのことを重く見る。

|

« ヘリマネに行きかねない日銀の異次元緩和政策 | トップページ | 福島第一原発廃炉にいくらかかる? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/64060614

この記事へのトラックバック一覧です: 日経が警鐘を鳴らす財政危機:

« ヘリマネに行きかねない日銀の異次元緩和政策 | トップページ | 福島第一原発廃炉にいくらかかる? »