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2016年9月27日 (火)

安倍首相所信表明演説への疑問

 26日に行なわれた安倍首相の所信表明演説を読んだ。

 「1.はじめに」の個所で気になったのは、「4年後の東京オリンピック・パラリンピックは、必ずや、世界一の大会にする」、「世界一暮らしやすい国、世界一信頼される国を目指し」、「一億総活躍」、「いかに困難な課題にもチャレンジし、建設的な議論を行って「結果」を出すこと」、「「未来」への挑戦」、「日本の「未来」を、皆さん、共に切り拓いていこうではありませんか」というように、やたらと「世界一」、「未来」などといった用語を使っていることである。また、「建設的な議論を行って」というフレーズは、国会において野党との間でまともな議論を避ける安倍首相に対して向けられるべきではないかと思われる。

 「2.災害復旧・復興」、「3.アベノミクスの加速」、「4.一億総活躍」、「5.地方創生」は演説の半分以上を占めるが、その基本は財政の大盤振る舞いを通じての経済活性化、および介護、保育などの充実や労働改革である。それらは経済社会の格差・不平等などの縮小を掲げており、意義ある取り組みだが、火の車である国家財政を一層悪化させる形で進められつつある。そこについて、国民が納得できる説明がないのは遺憾だ。

 「7.おわりに」では「未来への架け橋」と題し、「少子高齢化、不透明感を増す世界経済、複雑化する国際情勢、厳しい安保環境。我が国は、今も、様々な困難に直面しています」と述べている。しかし、演説全体を通じて地球温暖化対策への言及は無いに等しい。これこそ日本が「世界一」や「未来」というキーワードで目指すべきものなのに。また、財政危機の深化、そして少子高齢化と社会保障について、安倍政権はどう整合的な政策を展開するのか、が欠落している。

 日銀の異次元金融緩和政策を含め、安倍政権はやたらカネをばらまくことに熱心だ。それによって選挙を優位に戦ってきた。しかし、それが亡国のシナリオにならないとは言い切れない。そんな不安を抱く。

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