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2016年10月19日 (水)

違法な長時間労働を許容する労働組合

 もう半世紀近く前の話だが、三洋電機(のち、パナソニックに吸収された)の経営トップは「管理職は24時間、いつも、寝ている時も、会社のことを考えよ」と公言していた。高度成長の時代だが、当時は、問題発言だとは受けとられることはなかった。

 もし、いま、そんな調子で社員にゲキを飛ばしたら、社会から指弾されるだろう。時代は変わった。

 半世紀も前の時代の労働密度は今日よりはるかに薄かった。本社にはおおぜいの社員がいて、忙しいときもあれば、ひまで喫茶店に行くこともあった。大型コンピュータが使われ始めたころで、グローバル化の前だった。仕事の成否が人間関係で左右されることが少なくなかった。また、新入社員をじっくり育てるゆとりがあった。

 電通の長時間労働が労働基準法に違反しているとの疑いで、全国の労働局が同社および主要子会社に立ち入り調査している。東京労働局に設けられた「過重労働撲滅特別対策班」などが抜き打ち調査をしている。長時間労働で新入社員が自殺したり、サービス残業が恒常化しているなど、電通および子会社がブラック企業化しているからとみられる。

 電通の労働組合などが加盟する広告労協は「働く側の立場に立ち、各社の労働組合と連携しながら、賃金、労働条件の改善や、独自の福利厚生活動などに取り組んでいます」、「広告業界の健全な発展とそこで働く社員の幸福のために、活動を展開しています」とミッションを掲げている。電通の労働組合も、産別の広告労協も、会社側に寄り添い、労働組合としての使命をおろそかにしていたのではないか。

 知的労働のウエートが大きくなり、必ずしも単純に労働時間の長短などで成果を計れない時代になった。このため、労働時間、賃金、休暇などは労働実態を踏まえ、公正にきめこまかく決めることが労組の任務になるとみられる。ともすれば、日本の労組は企業別労組のため、経営側に立ちがちであるが、それでは、働く人々の利益を損なう。

 

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