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2017年1月 6日 (金)

米・中では「無理が通って道理引っ込む」

 米国のトランプ次期大統領は自動車メーカーのGM、フォードがメキシコに工場を建設するのをツイッターで批判したのに続いて、5日には、トヨタ自動車が計画しているメキシコ工場の建設も取り上げて批判した。まだ、トランプ氏は大統領就任前だが、すでに、フォードやキャリアはトランプ発言を受けて、メキシコでの工場建設をやめると決定した。”無理が通れば道理引っ込む”ではなかろうか。

 トランプ氏の発言は、彼が米国の国益に反すると考える巨大企業の行動を槍玉にあげているように受け取れる。しかし、人、もの、カネやサービスが国内・国際的に複雑に行き来している世界経済において、企業が適切と判断する外国への投資案件を無理やり抑えて、米国内に変更させることが、真に当該企業にとっても、また米国にとっても適切だろうか。

 第二次大戦後、ガット・WTOに象徴される自由貿易ルールによって、先進国も途上国も発展してきた。それを自由貿易の旗手、米国が歪めようとしている。それが米国の経済力を強めることになるのかどうか。トランプ旋風に対して、メキシコがどう対抗措置をとるか、それによっては、経済戦争になりかねない。メキシコ以外の国との間でも、問題が起こるだろう。

 ところで、米国のアップル社が、中国における「アップストア」から、ニューヨーク・タイムズの中国語版アプリを削除したという(6日付け日本経済新聞朝刊)。2012年以来、中国政府は中国本土から同紙のウエブサイトに接続できないように規制を敷いており、これをかいくぐる中国語版アプリも新たに違法とされたからという。

 中国は米国に次ぐ巨大な市場である。だが、中国政府は私企業に対して厳しい規制を課し、それを受け入れなければ、中国国内でのビジネスを許さない。ビジネスを展開したければ、当局の厳しい規制を受け入れるしかない。アップルは、ビジネスを優先して、民主主義や言論の自由、市場経済を認めない中国政府の厳しい規制を容認したわけだ。

 フォードにしても、アップルにしても、国家権力がビジネスのありように厳しく介入してくる新たな時代に直面しているように思われる。日本の安倍政権は安倍政権で、企業の賃上げの水準にまで口を挟んでいるし、中立のはずの日本銀行の役員人事にまで介入し、強引な金融政策を継続している。

 それだけ、上記の国々は国内の政治経済が相当思わしくないという表れなのだろう。 

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