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2017年1月30日 (月)

歯止めのない国債残高増大

 2017年度の国家予算案が国会で本格的に審議される段階に入った。サンケイBiz(20日付け)によると、財務省の試算では、17年度末に858兆円に達する国債発行残高は26年度末に1029兆円に膨らむという。

 10年国債の発行金利は17年度に年1.1%、その後、毎年0.1%ずつ上昇し、20年度以降は1.4%が続くという前提で試算したものという。これにより、利払費は17年度9.3兆円が26年度15.3兆円になると見込んでいる。さらに、名目GDP成長率は18年度以降、3%と高めにしている。

 それらを前提にして、石原経済再生担当大臣は、GDPを600兆円に引き上げるための経済成長の実現と、基礎的財政収支(PB)を20年度に黒字化する財政健全化の両立を目指すとしている。

 こうした安倍政権の経済財政政策に対し、29日付け日本経済新聞は「脱デフレ 金融政策では限界だ」、「インフレで債務軽減 宣言を」、「物価2%まで増税凍結」といった見出し付きで米プリンストン大学のクリストファー・シムズ教授のインタビューを掲載している。そこで紹介されているのが「物価水準の財政理論(FTPL)だ。

 それによると、インフレを起こして、それで国の借金の価値を下げる、つまり増税ではなく、インフレで借金を返すというのが、日本政府のとるべき政策だとする。「経済に悪影響をもたらす低金利・低インフレが続いている間は増税しないと宣言することが重要だ」とも言う。

 同紙の「経済論壇から」では、土居丈朗慶応義塾大学教授が鶴光太郎氏の見解を紹介し、「要するに、政府は国債を返済するための財政資金を十分に用意できないから、物価による調整で、カドを揃えて返済できたようにする、ということだ」と書いている。「税負担なく財政支出の恩恵にだけ預かるタダ乗りを奨励して……」という鶴氏の指摘も。

 FTPLの理論はよくわからないが、政治が増税を国民に受け入れてもらうために懸命に説得する努力をしないですませる安易な道であるように思える。それでいいのか。

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