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2017年3月11日 (土)

東日本大震災から6年、難題は続く

 6年前の2011年3月11日、東京の自宅(中層住宅の7階)にいて巨大地震に遭った。そして、テレビ報道で、三陸を中心とする被災状況をつぶさに見つめた。空から撮影された、津波が田畑をなめつくす映像などには心底震えた。

 日時が経ち、被害の実態がメディアを通じて詳細に伝えられるにつれ、想像だにしない大規模な被災であることが明らかになった。また、東京電力福島第一原子力発電所が地震と津波で破損し、水素爆発を起こしたり、放射能による大気や水の汚染を引き起こしたりした。

 2万人近い死者・行方不明者。地震・津波によるインフラや生活・経済への打撃。放射能汚染。それらに対し、政府は国民に特別課税をするなど、思い切って国費を注ぎ込んできた。いまだにプレハブ住宅での生活を余儀なくされている被災者もいるが、政府は、地域住民が、海が見えないほどの巨大堤防をつくるなど、公共土木事業に力を入れている。

 ところで、最近、内堀雅雄福島県知事が記者会見で、「光」と「影」というキーワードを使ってFukushimaの今について詳しく語った。避難指示区域が縮小されたこと、除染で外国並みになったこと、農産物モニタリングで安全を確認したこと等々を「光」として挙げた。そして、避難者が約8万人いること、原発のデブリの問題が続いていること、福島産の農産物価格が全国平均より低いこと、観光客が震災前より少ないこと、人口減少が続いていることを「影」として挙げた。

 そして、福島の復興について、「風評」と「風化」が同時に進行していると語った。知事は「いい話をすると、もう問題はなくなったと誤解される。一般のかたに明るい話と暗い話をすると困惑される」と言い、「来て見てもらうと、アンビバレントな状況が理解してもらえる」と語った。

 確かに、知事が言うように、東日本大震災の被災地は3.11以前の状態に戻れていない面がまだまだある。しかし、過去6年間に、日本の経済社会それ自体も変わった。”アベノミクス”でデフレから脱出すると称した安倍政権は、国債発行増による歳出増と日銀による国債大量取得という離れ業をもってしても、デフレ脱出ができていない。増税などをしなければ、財政危機が深刻化し、いずれは財政破綻に追い込まれる可能性が少なくない。

 東電福島原発の廃炉に至る道筋がいまだに技術的にさえも確かでない。我々は、この負の遺産をずっとひきずっていくことになる。そして、自公政権は過去6年間に深刻さが増した財政危機を、国民にしわよせするインフレという安易な方策で切り抜けようとしかねない。北朝鮮の核ミサイル技術の進展などによる安全保障問題を含め、日本の将来は厳しい。

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