« 毎日新聞のコラム「幸せの学び」に学ぶ | トップページ | PHP総研の日本財政診断 »

2017年5月11日 (木)

財政審財政制度分科会の資料を読もう

 10日に財政制度等審議会の財政制度分科会(会長=榊原定征経団連会長)が開催された。議論の内容は明らかにされていないが、資料は公開された。ネットで読むことができる。今回は文教、地方財政、社会資本整備の3つの分野が議論され、資料は、わかりやすいものもあれば、予備知識が相当ないと理解できないものもある。

 というわけで、難しいデータは抜きにして、わかりやすい資料を紹介する。まず、高等教育の効果は、費用253万円に対し、便益が608万円という。生涯賃金は高卒男子2億6百万円、大卒男子2億66百万円という。

 どの教育段階に財政支出を振り向けるのが、高い費用対効果が得られるのか、などコスト・ベネフィット分析を行い、そのうえで優先順位をつける必要があるのではないか、と言っている。

 地方財政では、長期債務残高が過去10年程度のあいだに国は330兆円増加したのに対し、地方公共団体は横ばい。地方財政は財政調整基金、減債基金などの基金残高が2005年度末の13.1兆円から、10年後の2015年度末の21.0兆円(2015年度末)に増えた。国がピーピーしているのに、地方公共団体のほうがゆとりがあるのは多少なりとも是正が必要かもしれない。

 社会資本整備については、OECD対日経済審査報告書2017年版において「地方公共団体は人口減少を踏まえ、住民の福祉に適切に配慮しつつ維持管理費を抑制する観点から、どのインフラを使用し続けるかについて注意深く決定する必要がある」と指摘された、などの記述もある。

 下水道事業は水道に比べ、財政の補助率が高い。新設ー更新にかかる費用はほぼ建設国債や地方債で賄っている。しかし、最近出版された『生活排水処理改革』が指摘するように、人口減少、設備老朽化、財源不足などに悩む市町村の中に、下水道をやめ、コストの安い合併浄化槽に切り替えるところが出てきている。同書はその背景をくわしく述べている。財政制度分科会においても、合併浄化槽を正面から取り上げていいのではないか。

 財政審の資料には、財務省に引き付けた記述やデータもあるが、日本国の財政が直面している問題点を知ることができる。できれば、もっとわかりやすい説明をして、国民が理解しやすいものにしてくれるといい。

 

 

 

|

« 毎日新聞のコラム「幸せの学び」に学ぶ | トップページ | PHP総研の日本財政診断 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/65267357

この記事へのトラックバック一覧です: 財政審財政制度分科会の資料を読もう:

« 毎日新聞のコラム「幸せの学び」に学ぶ | トップページ | PHP総研の日本財政診断 »