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2017年5月 4日 (木)

毎日新聞のコラム「幸せの学び」に学ぶ

 5月3日は30年前、朝日新聞阪神支局に覆面の男が押し入り、散弾銃で記者を死傷させた日でもある。言論を暴力で抑圧しようとした憎むべき犯罪として記憶される。3日付け毎日新聞のコラム「幸せの学び」は、この事件当時、同支局員だった女性記者、伊藤景子氏が2011年に退社し、昨年11月、財政危機に直面している守口市の住民として、市民目線の「守口市民 財政白書」を発表したことを紹介している。

 伊藤氏は、郷里であり、かつ住む守口市が北海道夕張市に次ぐ財政破綻に追い込まれるのではないかといった報道を受けて、勉強会を組織した。そして、守口市当局の財政規律がゆるんでいたこと、また情報開示が十分でなく、市民もお任せで無関心だったことなどを「白書」で指摘したという。守口市といえば、三洋電機の工場があったところで、企業城下町的な気分が残っていたのだろうか。

  地方財政も、国と同様、放漫財政の名残りが色濃く残っている。地域住民の監視の目もないに等しいから、財政規律が締まらない。そうした中で、守口市の住民が市民の目でとらえた財政白書をまとめあげたのはパイオニア的な意義がある。ほかの地方公共団体でも、こうした試みが行われることを期待したい。

 このコラム「幸せの学び」のバックナンバーを見ると、昨年12月21日付け「国際援助と憲法前文」で、フォトジャーナリスト、勝俣誠氏がセネガルのダカール大学で講演したときの話を取り上げている。同氏は講演で、日本がアフリカまで行って援助している理由を憲法に求めた。即ち、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と。聴いたアフリカの人たちは日本国憲法のすばらしさに感激したらしい。

 なるほど、勝俣氏に言われてみると、世界中の人たちが皆、恐怖と欠乏を免れ、平和に暮らせる権利があるとうたい、それを実現するため、頑張っている日本人がいるというのはすごいことではないか。安倍首相は自らが遵守すべき日本国憲法を、軍隊を持ち、交戦できる条文に改めようとしている。そのギャップの大きさに驚く。

 「幸せの学び」の筆者は城島徹氏。2月15日付けの「新聞は総合栄養食」にも感心した。新聞を読まず、もっぱらスマホで社会の出来事を知る人が増えている。そうした人に対し、新聞は”総合栄養食”である、幅広い情報との予期せぬ出会いがある、と言って、新聞を読むことを若者に薦めているという。ネットに押され、新聞は斜陽化しているので、読者を増やそうという営業政策上の配慮もあるだろうが、新聞の社会的意義を巧みに表現しているように思う。

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