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2017年6月10日 (土)

財政悪化を是認する「骨太の方針」

 3月に出版された『サボる政治』(坂本英二著)は副題に「惰性が日本をダメにする」と記している。

 自民党は「財政に余裕があった頃に思い描いた夢の福祉国家や地方に予算を大盤振る舞いする仕組みは、もう見直さなければならないと有権者に正面からなかなか説明できなかった。」、また、野党は「増税反対!」「地方切り捨て反対!」と声高に叫び続けた。結果として、将来世代に負担を付け回ししてきた。これが過去30年ほどの基本構図だと言う。

 政府は9日、臨時閣議で経済財政運営の基本方針(いわゆる骨太の方針)を決定したが、概要を読むと、2020年度の黒字化を掲げてきた基礎的財政収支(PB)目標に加え、債務残高対GDP比の安定的引き下げという目標を掲げた。財政再建のメドとしてきたPBの黒字化が不可能とわかったからだと思われる。財政再建で野党から叩かれるのを避けるため、目標をあいまいにしたのだろう。

 アベノミクスではデフレ脱却、経済再生、歳出改革、歳入改革を唱えてきた。しかし、現実には、赤字国債の大量発行や日銀による超低金利政策をてこに、もっぱら景気刺激策が行なわれてきているが、政府の期待通りの経済成長を達成できていない。このままでは、「子や孫のクレジットカードで現役世代が飲み食いしている」(『サボる政治』)事態が今後も続きそうな気配だ。

 安倍政権発足から5度目の骨太の方針となる。財政再建がうまくいかないのは、将来に大きな負担を残す今の経済運営そのものに問題が内在しているからではないかと想定される。国会で与野党議員に加え、経済学者ら民間の専門家を入れて、今後の日本経済の運営に関する議論をしていくことが争点を明確化し、政策を見直すことにつながるのではないか。

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