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2017年6月14日 (水)

上場企業の6割強が実質無借金――を考える

 上場企業(金融などを除く)の財務体質が改善され、2016年度末時点で実質無借金企業が前年度より60社増えて2000社を初めて突破した、と日本経済新聞の13日付け朝刊が報じた。金融などを除く上場企業は3500社近いが、そのうちの58%が実質無借金の企業だという。

 現預金、短期保有有価証券などの手元資金から借入金、社債などの有利子負債を差し引いた「ネットキャッシュ」を算出。これがプラスの企業を実質無借金と定義している。

 GDPなどでとらえるマクロ経済では、デフレが続いているとか、賃金上昇率が低く、消費も低調だ、など、日本経済は長期停滞から抜け出せないように言われる。それにもかかわらず、ないしは、それだからこそ、企業は実質無借金化しているのだろうか。

 市場経済では、起業家が事業を起こし、必要な資金を株式、社債や借入金という形で調達するのが普通だ。資金の必要がなければ、資金を手元に置いておかず、株主などに返還するのが常識である。また、内部留保で手元資金が積み上がる一方で、雇っている社員などへの給料を増やさない、ないしは、下請けなどを買い叩くような企業は、社会的な公正さを欠いていると言える。

 企業が新技術、新製品などで事業の維持・拡大をめざせば、雇用も拡大し、国民経済も活性化しよう。また、内部留保を適正なレベルにとどめ、資金使途が見当たらないときは、増配で株主に返せば、消費の増大につながる。増配する企業が増えているが、もっと大々的に行なったらいい。そうすれば、株価はもっともっと上がる。

 また、個人の貯蓄が1000兆円を超え、無借金企業が増えるということは、マクロ経済では、政府が借金を増やすことと裏腹である。政府が法人税や個人所得税などの増税を行ない、国の借金を異常な高水準から引き下げることは望ましいことだろう。

 経済団体連合会は創設70年を迎え、会報の6月号は『「豊かで活力ある日本」に向けて――岐路に立つ日本と経済界の役割』と題して特集を組んでいる。だが、上記の、証券・資本市場の観点を欠いているのは残念である。

 

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