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2017年8月 3日 (木)

2015年度社会保障費用の統計データを読む

 年金、医療、失業などの社会保障費用の統計が国立社会保障・人口問題研究所から発表された。それによると、ILO基準社会保障給付費という統計と、OECD基準社会支出の統計と、似た統計があることがわかった。2つの違いは発表文に説明があるので、ここでは省略するが、2015年度の社会保障費用は、ILO基準が114兆8596億円(前年比2.4%増)、OECD基準が119兆2254億円(同2.3%増)だった。

 社会保障費用を国民1人あたりにすると、ILO基準90.37万円(前年比2.5%増)、OECD基準93.81万円(同2.4%増)だった。

 発表には1980年度から2015年度までの、我が国の社会支出全体およびその分野別支出の棒グラフが示されている。それを見ると、社会支出全体は35年間、増え続けたことが読み取れる。それも4倍以上に増えたことがわかる。また、増えた理由が断トツに「高齢」、次いで「保健」にあることが読み取れる。データを見ていると、社会保障費用が増えることはずっと前からわかっていたことであり、政治はそれにろくに備えようとしなかったことに気付く。

 ところで、2015年度の社会保障財源は総額123兆2383億円で、前年度より14兆84億円減った。主な理由は、公的年金制度などの資産運用がマイナス19兆6623億円に達したこと。株式市場の下落が響いたとはいえ、長期に安定的に運用すべき基本がおろそかにされていたとしか思えない。

 海外に目を向けると、スウェーデンなど先進諸国との国際比較(2013年度)では、社会支出の構成が、日本は「高齢」向けが47.2%と断トツに大きい。これに対し、フランスは39.7%、次いでスウェーデン34.4%、ドイツ30.4%、など。一方、「保健」向けは、アメリカ42.7%、日本33.7%、ドイツ30.4%、フランス27.1%などとなっている。スウェーデンの場合、「障害、業務、災害、傷病」への支出割合が16.8%と高い。他方、「住宅」向けの社会支出が日本だけ極端に少ない。「住宅」に日本政府がカネを出さなかったことが浮き彫りになっている。

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