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2017年12月 4日 (月)

メディアの原点を思い起こさせる本『新聞記者』(望月衣塑子著)

 首相官邸における菅官房長官の定例記者会見で、納得できる回答を得るため質問を繰り返したということで、一躍有名になった東京新聞の望月衣塑子記者(社会部)。同氏の書いた角川新書の『新聞記者』を読んだ。

 官房長官会見というと、テレビなどで見るように、官邸に詰める報道各社の政治部ないし政治担当の記者が行儀よく手を挙げて質問し、官房長官が答弁集を見ながら答える。型通りの行事のようにみえる。それを丁々発止のやりとりへ変える先駆けが望月記者である。

 「新聞記者の仕事とは、ジグソーパズルを作るときのように、一つずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと――そう教わってきた。事件取材で、最初から真実を聞けることなど、まずない。ぶつけた質問が否定されることを前提に、何度も何度も疑問を投げかける。」

 そう言い切り、それを実践してきた同氏の実績は、本書を読んでもらえばわかるが、それはそれは、まぶしいくらいである。私も、かつて新聞記者として仕事をしてきたから、同氏のスタンスと実績にはとても感動した。そして、自らの原点を保っていく姿勢に畏敬の念を覚える。

 いま、日本は政治、経済、社会のあらゆる面で厳しい局面に立たされている。報道という点をとっても、さまざまな問題に直面している。望月記者の活動は、事件記者的なものから、国の政治・社会などの問題へと広がっていく可能性がある。そうなるのを期待したい。

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