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2018年3月 4日 (日)

逆「トリクルダウン」を目指せと言う中前忠氏

 経済同友会の会報『経済同友』2月号に、中前忠国際経済研究所代表が昨年12月に会員セミナーで講演した「経済ナショナリズムが変える成長モデル」の要旨が載っている。

 労働生産性の上がっている企業は雇用を減らす。余剰になった労働者は生産性の低い第三次産業に移る。このため、全体として企業収益は上がっても、労働者の報酬は下がり、所得格差は広がる。この傾向が世界中に見られるという。

 日本では、国の所得に対する家計所得の割合は1980年の68.9%から2015年51.9%まで落ちている。加えて、家計所得に占める税・社会負担額は1980年の21.7%から2015年35.8%にと重くなっている。

 逆に、国の所得に対する企業所得の割合は1980年の21.3%から2015年32.0%へと上昇。企業所得に対する税・社会負担額は1991年のピーク48.7%から2015年31.8%へと下がっている。こうした企業優遇策のため、労働分配率も下がっているという。これを是正しない限りは国内消費は伸びないと中前氏は指摘する。

 そこで、消費税を廃止し、法人税増でその分を補う。そうすれば、消費は増え、結果的に国内企業にもプラスに働き、賃上げも可能になると言う。家計から企業へ富が行き渡る「逆トリクルダウン」を目指すレジーム・チェンジを唱えている。

 中前氏は昨年10月5日夕刊の日本経済新聞コラム「十字路」で、消費税の撤回、貯蓄利回りの引き上げ、および財政赤字対策としての企業への増税を説いた。今回は、それに続くもの。逆転の発想が説得的だ。

 

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