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2018年5月31日 (木)

石牟礼道子『魂の秘境から』を読んで

 水俣病で知られる熊本県水俣市に昨年、行ったことがある。不知火海に面し、海の幸、山の幸に恵まれた地域なのに、公害の水俣病に苦しんできたところだ。その水俣が広く知られるようになった一つの要因が石牟礼道子さんの著書『苦海浄土』である。

 石牟礼さんはことしの二月に亡くなったが、四月に『魂の秘境から』が出版された。また、三月には、米本浩二著『評伝 石牟礼道子――渚に立つひと』が出版された。米本さんは新聞記者で、石牟礼さんがどんな人だったかをインタビューを積み重ねて浮き彫りにしようと試みてきた。

 このうち、5月中に読み終えたのが『魂の秘境から』だ。どの文も、水俣の自然環境である海と人々の暮らしなどの今昔を描いていて、巧みな表現に引き込まれる。その中で、特に一カ所だけ、ここに引用したいところがある。「原初の渚」からだ。

 『海が汚染されるということは、環境問題にとどまるものではない。それは太古からの命が  連なるところ、数限りない生類と同化したご先祖さまの魂のよりどころが破壊されるということであり、わたしたちの魂が還りゆくところを失うということである。

  水俣病の患者さんたちはそのことを身をもって、言葉を尽くして訴えた。だが、「言葉と文字とは、生命を売買する契約のためにある」と言わんばかりの近代企業とは、絶望的にすれ違ったのである。』

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2018年5月27日 (日)

スマホは契約内容も、操作方法も難解

 使っていたスマホの電池が壊れたのか、突然、充電してもその日のうちに、ろくに使わないうちにゼロになる。そこで、これまで操作速度がのろかったこともあり、この際と思い、近所にあるauの営業店に行き、買い替えた。しかし、新規契約したあと、面倒なことが相次ぎ、ろくに使いこなせない。契約した5月12日(土)から1週間もたたないうちに買い替えたことを反省した。後期高齢者にはスマホは無理なのか。

 購入したスマホを家で使おうとしたら、WiFi接続ができない。それで営業店に相談したら、同一機種の新品と交換することはできるとの答え。それで取り換えてもらった。しかし、家で試したら、やはり接続しない。パソコンなどで我が家のWiFi機能は正常に作動している。そこで、改めて営業店に相談したら、使用してきたWiFi用ルーターを新規に電器店で購入したらどうか、という。

 困って、「ニフティまかせて365」のサービスに相談したり、ルーターのメーカーに電話したりした。しかし、参考にはなったが、決定打ではない。何ギガヘルツの機器かなどで違いがあるという。そうこうしているうちに1週間近く経った。そこで、らちがあかないので、auとの解約をも念頭に、区の消費者生活センターに相談した。これに対し、同センターでは、解約といっても、機器の購入は解約の対象にならない、として、auのお客さまセンターに相談するようにと勧める。

 そこで、auのお客さまセンターに電話した。相談は無料である。センターでは、我が家のルーターの裏側をスマホで写真撮影するよう求めた。ニフティに相談したときにも同じことを要求された。しかし、お客さまセンターでは、これをもとにWiFi接続を正常化してくれた。不具合の原因は、想像するに、ルーターの裏側に記されている記号番号を読み違い(Bと8とか)して入力していたのではないか。

 初めの頃、新品のスマホを取り換えてくれたのはよいが、使っていたスマホのアドレス帳を二度にわたって移し替えて、それを「アドレス変更」と一斉メールした結果、相手に二度もメールが行って迷惑をかけた。また、新しいスマホの使い方についてauは何も教えてはくれない。基本的には取扱説明書を読めという話だ。しかし、取扱説明書を読んだからといってすぐわかるわけではない。現実には、試行錯誤で一つずつ必要性が高いものを覚えていくしかない。それも、しばしばauの営業店に通い、長時間待って、少しずつ教えてもらうということだ。

 契約した日にもらった書類は、読んでもよくわからないことばかり。現役の社会人にしても、契約書を理解している人はほとんどいないだろう。免責条項などは、通信業者に有利な内容になっていても、ユーザーは知らないのではないか。ブラックボックス化しているところに問題があるように思う。

 要りもしないサービス2種類への加入を求め、来月になったら解約しに来て、といわれた。まだ、そんな不公正な商売をしていることにあきれる。電波を寡占する不公正競争を政府が容認していることに根源があるのではないか。

 後期高齢者には、スマホは要らない、ガラケーといわれる携帯電話と、アイフォンとがあればよい、とか、ガラケーとパソコンの組み合わせで十分、という声を最近聞いた。パスワードだとか、いろいろ覚えなければならないことに対し、どう対処したらよいか、も含め、新時代を誰もが楽に対応できるノウハウを確立し、社会に広めてほしいものである。

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2018年5月22日 (火)

財政悪化への危機感が政治家にも国民にもない

 政府は医療、介護などの社会保障給付費の将来推計を22日に発表した。2040年度に190兆円と18年度より6割増えるなど、いまのままだと財政破綻は必至と受け取れる内容である。

 この問題が深刻なのは、慶応大学の土居丈朗教授が言うように、「いまの仕組みを維持するだけでも2040年に相当な負担増になるという危機感が、政治家にも国民にもないのが一番怖い」(朝日新聞)という点である。現役の人たちに給付費の大半を依存している現在の仕組みは持続不可能である。

 国債をたくさん発行して財源を確保するという安易な政権。その基本的な問題点を突くことなく、目先の諸問題にばかり取り組んでいる野党。この病んだ政治に対して、国民各層が改革を求めて立ち上がるしか、突破口はないだろう。

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2018年5月 4日 (金)

国会議員にも官僚にもチコちゃんのお叱りを

 「ボーと生きてんじゃねえよ」――NHKの金曜日夜、チコちゃんが出演している大人に対して、ぐさり刺す発言をする番組。最新の技術を駆使してつくられたチコちゃんのこの一言は、いまの国会、霞が関にも献上したい。

 森友学園および加計学園に関する疑惑は、いまもって国会の最大の争点になっている。真相の究明に与党は相変わらず消極的。野党は少数党ばかりで、与党に対峙するだけの強力な対抗勢力に結集すべきなのに、その動きはにぶい。外に目を向けると、北朝鮮の核・ミサイル問題など、世界が大きく変動し、安全保障の観点からも厳しい情勢になっているにもかかわらず、日本の将来をどう構想して必要な政策を講じていくか、与野党間でまともに議論を闘わせる様子はさらさらない。

 日本の国内は景気、雇用などで明るい指標が示されているため、経済面で与野党の争点は目立たない。しかし、国内の好況をもたらしている最大の要因は赤字国債の大量発行と、それを支える日銀のゼロ金利政策と国債大量購入ではないか。即ち、税収をはるかに上回る財政支出、つまり巨額のばらまきを永年続けてきたことである。

 しかし、国・地方の”借金”が1000兆円を超し、財政健全化の一里塚として掲げた2020年度の基礎的財政収支黒字化の目標も達成不能が確実となっている。財政再建が完全に遠のき、財政が破綻するのはそう遠くはない。金利が上がったりすれば、破綻は早まる。

 財政再建を行なうには、歳出削減と税収増の両方のアプローチがある。まず歳出面をみると、社会保障では、医療費や介護費のむだをなくすための国民的な運動を起こしたらどうか。自分が医者にかかるようになってわかるのは、調剤薬局に行くと、肝心の薬代そのものよりも調剤技術料などの合計のほうがはるかに高い費用だということである。医師による治療の費用の中には、行くたびにX線検査を行うものなどもある。医療、介護などの歳出適正化のために、審査機関によるレセプトチェックの徹底をはかるべきだ。

 公共事業、教育費、防衛費なども、民間の知恵を借りつつ、歳出のムダをなくす工夫が求められる。

 こうした歳出削減の反面、消費税の増税はやむをえない。増税当初は消費が落ちるが、増税による税収増が社会保障関係などの予算として使われることをアピールする必要があろう。アマゾンの日本国内での事業活動に対する課税が問題になっているが、外国人による日本での事業活動に対する適正な課税の実現も重要な課題である。

 国会議員や霞が関の官僚の皆さんは、国政の重要な課題がたくさんあることを踏まえ、これらに真剣に取り組んでほしい。

 

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