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2018年6月25日 (月)

安倍長期政権下のひずみ

 25日の日本経済新聞朝刊を読むと、世論調査(日経とテレビ東京とで実施)で安倍内閣の支持率が52%と、5月下旬の42%より10ポイント上がったという。不支持率のほうは53%から42%に下がったとしている。そして、その理由として「安倍首相の外交手腕に期待が高まったとみられる」としている。

 ところが、その記事の横にある新連載企画「政と官 ゆがむ統治」①は大見出しで「強さ増す官邸 忖度の引き金」と記し、その下に「政策決定見えにくく」と指摘している。長期政権のもと、政策の決定過程がブラックボックス化していると竹中治堅政策研究大学院大学教授は言う。世論調査をどう受け止めるのがいいのだろう。

 朝日新聞の24日の朝刊の「平成落首考」(川柳選者の西木空人氏)は、安倍政権が言葉をもてあそぶことにたけていると指摘。国会答弁などで、「歴史的使命」とか、「働き方改革」などの気恥ずかしいような言葉を次々に繰り出して、政治に対する国民の希望に背いているとみる。安倍首相が内政をおろそかにし、海外にやたら出かけるのを「ウミ(膿)出さず海の外にはすぐに出る」と揶揄した川柳も紹介している。本音ベースの川柳はおもしろい。

 沖縄では23日に日米戦争末期の沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えた。式典に出席した安倍首相は挨拶の中で、米軍基地集中による大きな負担をいまも担う沖縄の現状を何としても変えていかねば、と言い、「できることはすべて行う」と基地負担軽減に全力を尽くす旨語った。言やよし。だが、「できることはすべて行う」というのは、沖縄の負担軽減を優先するという意味か、米軍などの利益を優先する中でのできることに限られるのか。後者なら現状維持だ。

 地元の翁長沖縄県知事は、日本政府が民意を顧みず工事を進めている辺野古新基地建設計画に対し、見直すよう求めている。安倍首相は、日米地位協定の改定をはじめ、沖縄県民および日本国民の真の利益は何か、を突き詰めて考えてみるべきだろう。トランプ米大統領のお友達はいいとして、言いなりの操り人形であっては困る。

 安倍首相は、自民党総裁選で勝って、さらに長期政権を保持しようと野心を燃やしているようだ。まともな国会審議のないまま、多数で押し切る政治手法は、世の中の雰囲気を荒れさせる。最近のさまざまな殺人事件頻発は、国内政治のこうした抑圧のもと、国民の鬱屈した気分が噴出し始めた現われかとも思わないでもない。 

 

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2018年6月10日 (日)

記録映画「ワンダーランド北朝鮮」を試写会で見た

 北朝鮮の核・ミサイルの廃棄をめぐる米国と北朝鮮のトップ会談が12日にシンガポールで開催される。それを間近に控え、北朝鮮の人々の暮らしぶりを写した記録映画「ワンダーランド北朝鮮」(2016年)の試写会があった。

 「これはプロパガンダか?」「それとも現実(リアリティ)か」と配布パンフレットに大きな見出しがあり、「あなたの知らないもう一つの北朝鮮」という見出しもある。韓国出身のチョ・ソンヒョン監督(女性)は韓国籍を放棄し、ドイツのパスポートで北朝鮮に入獄し、取材・撮影をしたという。

 北朝鮮での取材・撮影は検閲がつきっきりだ。それでも、同胞として受け入れられたチョ監督は「最高指導者への特別な感情を抱く普段着の表情の人々と交流し、意外と普通だが、予想外の北朝鮮の素顔を発見していく」(パンフレットより)。

 映画に登場する北朝鮮の人たちの仕事や生活は、日本人の私から見て、あまり違和感を抱くことはない。自然エネルギーを有効に活用する家庭を見ると、いまの日本のエネルギー浪費に気付かされたりする。そして、北朝鮮の人々の暮らしや仕事ぶりが、ちょっと前までの日本と大きくは違わないことに思い至る。

 映像はもっぱらピョンヤンなどの大都市や大きな共同農場に限定されている。貧しくて生活苦にあえぐような地域の映像は見ることができない。それでも、北朝鮮を毛嫌いすることなく、アジアの仲間として受け入れる時期がいずれ来ると心の備えをしておくべきだろう。そんなことを思ったりした。

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2018年6月 9日 (土)

「世界報道写真展」で知る危機の様相

 東京・恵比寿の東京都写真美術館で9日から始まった「世界報道写真展」に行ってきた。混んではいなかったが、若い人たちが多かった。

 ベネズエラで大統領に対する抗議デモに参加していた男が、警察機動隊と衝突した際に、着衣に引火し、激しい炎に包まれた。その写真が会場に入ってすぐのところに展示されていた。赤い炎が男の身体を焼きつくしそうなすさまじい光景である。

 ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの逃避行、イスラム国をめぐる戦いの跡etc、世界のあちこちで紛争や内戦が起きていることを展示で再認識する。また、ロシアの経済が落ち込んで、300万人もの女性が食うために展示写真のようなセックス・ワーカーになっているという説明もある。。

 世界の主要都市で廃棄物がどのように処理・処分されているかを示す組写真の説明を読むと、世界全体で排出される固形廃棄物は1日あたり350万トン。100年前の10倍に増えているという。そして、2050年までに海洋にただようプラスチック廃棄物は、重量換算で魚の全体を超えるという世界経済フォーラムの予測を引用している。

 また、アマゾン川流域の熱帯雨林の急速な破壊の写真を見ると、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素の巨大な吸収源が消滅の危機に直面していることがわかる。

 南アのミナミシロサイなど、希少な動物を保護・保存する政府などの努力も世界のあちこちで行われていると知る。

 写真展は、「スポーツ」、「自然」などの部もあり、ほほえましい展示写真もある。しかし、世界で起きている深刻な事象をこのように並べられると、私たち人類が直面している課題を再認識し、その解決のために、皆、真剣に努力せねばならない、と思う。

 ところで、写真展での写真の説明は、文字が小さくて、読み取るのに苦労した。どうして、こんなことが……。

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