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2018年10月31日 (水)

徴用工の最高裁判決と西欧の植民地主義とを比較考察する

 太平洋戦争中の日本企業が朝鮮半島の朝鮮人を日本の工場に動員したとして、元徴用工が日本企業の新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国の最高裁は個人の請求権を認める控訴審判決を支持した。日韓両政府とも、これまで1965年の日韓の請求権協定により解決済みという立場をとってきたが、強制動員への慰謝料は、政府間協定の対象外という最終的判決が韓国側で出たわけである。

 日韓両政府がこの問題で今後、どのような合意に達することができるか、実に難しい問題だが、世界の植民地支配の歴史を振り返ると、支配者側が、今回のような形で難しい問題を抱えたケースはどれだけあったのだろうか。

 英国、オランダやフランスなどがインドや清国などを支配した歴史など、植民地主義の歴史においては、徴用工動員などと比べものにならないほど、はるかに残虐な行為が行われたとされる。しかし、西欧の植民地支配に対して、今回のように被害者が訴えを起こし、裁判で被害者が勝利するというケースがどれだけあったのだろうか。寡聞にして知らない。

 日本が太平洋戦争で敗北する過程で、ソ連が日本の支配下にあった満洲に侵入した。そして、何万、何十万人という日本の軍人が降伏し、何年も抑留された。彼らはシベリアなどの開発に動員され、極寒の地で、ろくに食べるものもない状態で、大勢が亡くなった。しかし、この残虐な動員について、慰謝料を求める動きはない。生きて帰還できた元軍人たちは、泣き寝入りとも言うべき状況にある。

 世界のこうした歴史を踏まえると、日韓の請求権協定で決着した問題が、ぶり返すというのは、どう理解したらいいのか。両国の関係を正常に保つためには、どうすべきか、考えても答は容易には出てこない。

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