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2018年12月27日 (木)

難民問題を生々しく描いたドキュメンタリー映画

 映画「ヒューマン・フロー/大地漂流」を試写会で見た。難民問題というと、日本のメディアでは、中東・アフリカから船で地中海を渡ってギリシャなどに行き、そこからドイツ、フランス、イギリスなどの西欧諸国をめざすとか、ロヒンギャのバングラデシュへの逃避、また、メキシコから米国への国境越えなどとかが報じられてきた。だが、アジアでは難民問題は自らの国の問題と受け止められていない。したがって、私も、これほど多くの難民が存在し、深刻な事態になっているのを、この映画を見て初めて知った。

 パンフレットによれば、「貧困、戦争、宗教、政治的立場、環境問題など、さまざまな理由で増え続ける難民たち。その数は、2018年には過去最高の6850万人に上る」という。世界人口のおよそ1%にのぼる。そして、増える難民に対する先進国側の受け入れ拒否が目立ってきた。どこの先進国も、それぞれの言語、文化、生活様式などがあり、また、生活水準を保持しようとする国民が少なくないからである。

 一方、民族対立、宗教対立、戦争などで家財を失ったり、家族を失ったりして、生活基盤を喪失した人たちは、新たな生活拠点を求めて流浪の旅に出るしかない。それこそ命を懸けて、SNSなどで知った豊かな国を目指しているのである。だが、難民キャンプと国境封鎖は、そうした夢を打ち砕く。映画は、このような難民たちの苦悩する現実をありのままに映像化している。

 アイ・ウェイウェイ監督は2015年以降、中国を追われ祖国に帰れないという。中国はチベットやウイグル族を弾圧しているとされる。難民も発生していよう。そうした実態があったとしても、同監督は撮影を許されたかどうか。そんなことも想像する。 

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