財政破綻の惨劇が来年幕を開ける?
鳩山政権の2010年度予算案で、子ども手当はマニフェスト通りに実施することになった。支持率が低下してきた鳩山内閣にとっては挽回の材料になるかもしれない。しかし、15歳以下の子供たちや、これから生まれてくる子どもたちは、国債発行残高にみられる日本財政の借金の山を背負わされる宿命にある。まさに、「往きはよいよい、帰りはこわい」である。
10年度予算では、国債の新規発行は約44兆円にとどめるという藤井財務相の主張に沿ったものになるようだ(小泉内閣が30兆円以下にとどめるという方針を打ち出した頃が懐かしい)。2010年度の税収が今年度(約37兆円)並みなら、国債費約21兆円を差し引くと、残るは約16兆円だけだ。地方交付税交付金は17兆円を超えるから、それを払うとすると若干のマイナスになる。つまり、一般歳出に振り向けるカネはゼロということになる(個人生活に例えれば、給料から住宅ローン返済や親への仕送りをしたら、手元には1円も残らず、生活費はすべて借金に頼るしかないという状態である)。
ところが、一般歳出(社会保障関係費が約半分を占める)について、政府は約54兆円を計画している。全額をどこかから調達しなければ勘定が合わない。その内訳が国債発行約44兆円と埋蔵金発掘約10兆円ということになる。埋蔵金といっても、特別会計などから余裕資金を召し上げるもので、毎年、召し上げるというわけにはいかない。
このように、国の財政実態は実質、破綻状態にある。そして、いまやいつ、どんなきっかけで破綻が訪れるかを心配しなければならない。だが、その割に、鳩山連立政権には財政問題に対する危機意識がない。そのことに驚く。消費税引き上げは4年間はやらないと言い、中期的な財政再建目標を急いで設けるという様子もない。
12月21日付け日本経済新聞朝刊に、平田育夫論説委員長が「日本国債いつ火を噴くか」と題するコラムを書いていた。同氏の将来予想によれば、歳出の半分程度を国債に頼り続ける→日銀が大量の国債購入に踏み切らざるをえなくなる→インフレ懸念などで長期金利が急騰する。「その惨劇の幕が上がるのはズバリ来年」、きっかけは財政運営への不信感だという。
平田氏は「やはり財政危機を回避するための本道は財政の健全化と、経済成長を促す政策を進めることである」と書いている。しかし、10年度予算案と税制改正大綱には、そのどちらも欠けている。子ども手当など個別問題や小沢民主党幹事長の専横ぶりなどに目を奪われているうちに、事態は深刻さを増している。
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