2018年4月 5日 (木)

乏しい国会審議の成果

 森友学園に対する国有地売却問題で、国会は佐川前財務省理財局長の証人喚問を行なったが、証人がまともに証言するのを忌避したため、何の成果も得られなかった。しかし、4月からの新年度入りを境に、森友問題は新聞報道などから姿を消してしまった。これで”一件落着”というわけではあるまいが、野党の攻勢に迫力がないことおびただしい。

 そんな気の抜けた国会に活を入れるかのように、イラクへ派遣した陸上自衛隊の活動報告(日誌)が、実はあったというニュースが報じられた。1年ちょっと前には、探しても無かったとと当時の稲田防衛大臣が言っていたのに、昨年3月に見つかっていたこと、にもかかわらず、上には報告されていなかった、というにわかには信じられない話である。

 軍隊組織では、誰に何を報告すべきか、すべきでないか、が決定的に重要である。安倍総理大臣が憲法改正をめざし、そこに自衛隊の存在を明記しようとしているが、こんな心もとない軍隊では不安だ。小野寺防衛相は真相を究明するとしているが、与野党が一緒になって調べることもあっていい。

 4月からの新年度入りで、国の一般会計などが動き出した。政府案の無修正である。国債の大量発行や、それを支える日銀の超低金利政策や国債大量購入など、いわゆるアベノミクスの継続で、将来の財政破綻のリスクは増大すると言わざるをえない。だが、国会の予算審議などで、歳出や歳入の中身についてどれだけ厳しく審議したのか。

 与党の国会議員で、財政金融分野の重鎮と言うべき人はいない。社会保障分野においても同様だ。また、野党にも、財政金融や社会保障に関する見識を誇れるような議員はいない。財政危機を感知し、適切に対処するよう警告する有力な国会議員を与野党で育てることが国政の課題の1つではないか。小選挙区制度の見直しとともに。 

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2018年3月27日 (火)

国会証人喚問の限界

 森友学園疑惑で、27日、国会は佐川宣寿前財務省理財局長を証人喚問した。この予算委員会のテレビ実況中継を見たが、決裁文書の改ざんに関する国会議員の追及に対し、証人は完全に回答を拒否していた。これには、納得できない視聴者が多かったのではないか。

 憲法第62条で、議案等の審査及びその他国政に関する調査のため、喚問し、証言を要求できるとあり、議院証言法が定められている。

 冒頭、証人として立った佐川氏は「良心をもって、真実を述べ、何事も隠さず、何事も付け加えないことを誓う」と宣誓書を読み上げ、署名、捺印した。そして、委員会の委員長は、国民の関心が強い森友学園への土地売却に関する文書改ざんの経緯などについて証言するよう求めた。

 しかし、佐川氏は、自らが刑事訴追を受けていることを理由に、肝心の点に関して全く答えなかった。虚偽の陳述をすれば3カ月以上、10年以下の懲役を受ける。黙して語らなければ、虚偽陳述には当たらないということだろうか。宣誓書を読み上げたのに、自らの保身を最優先した。

 公文書を改ざんした目的は何だったのか。二度と同じようなことが起こってはならないが、佐川氏の証言は、政治、行政に対する国民の不信を強める一方で終わりそうだ。

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2018年1月 5日 (金)

佐川国税庁長官の記者会見はいまだにしていないんだっけ

 日本税理士会連合会(略して日税連)の会報「税理士界」の1月15日号を読んだ。新春対談「納税義務の適正な実現に向けて  佐川国税庁長官と語る」と題して3ページにわたって、神津信一日税連会長と佐川宣寿国税庁長官の対談が掲載されている。

 佐川長官といえば、昨年7月5日に就任するまでは財務省理財局長だった。学校法人森友学園に国有地を売却する際に、地中に埋まったごみの撤去費用を過大に見積もり、払い下げる土地代を低くした疑いがあるとして、国会で、関係書類の提出を求められたりした。しかし、「書類は破棄された」などと答弁し、証拠隠滅の罪で告発された。

 そんないきさつもあって、佐川長官の就任記者会見は行われず。その後、佐川氏が記者会見をしたという報道は記憶にない。

 しかし、佐川氏は「税理士界」の対談で、「我々の組織では職員に対し風通しの良い職場であるようにということをよく申し上げています。風通しが良いというのは、お互いにきちんと議論し合うということで、会議では、必ず各人の意見を述べてもらうようにしています……この組織で何をしたいのか、この組織をどうしたいのかということを議論してもらうことが重要だと思います」と言う。

 そして「些細な問題でも対応を誤れば、組織の信頼を失ってしまいます。それを防ぐためにも、リスク管理として、必ず上司に報告するよう徹底させています。」と付け加える。

 租税教育の充実に向けた取り組みについても、「次代を担う児童・生徒が、国の基本となる租税の意義や役割を正しく理解し、社会の構成員として、社会のあり方を主体的に考えることは、納税に対する納得感の醸成と民主国家の維持・発展にとって大変重要なことである」と述べている。

 以上、対談で佐川長官の述べたことは至極もっともである。普通に記者会見を行ない、メディアを有効に活用すれば、国民の税に対する認識や理解が深まりやすい。結果として、長官の目指す目標を実現しやすいのではないか。

 それを佐川氏は十二分にわかっているが、真相を闇に葬るという選択をせざるをえなかったのだろう。そうだとすると、長官の仕事を全うする人物として不適格のように思える。

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2017年12月23日 (土)

新聞各紙の社説は政府の来年度予算案を厳しく批判

 安倍内閣は22日、来年度一般会計予算案および今年度の補正予算案を決定した。主だった新聞はどう見ているか、23日の朝刊の社説を読むと、いずれも厳しい目で見ている。

 「政府予算案 目に余る政権の無責任」という見出しの東京新聞社説は、「先進国で最悪の財政状況という現実から目をそらし、小手先の帳尻合わせに終始した」、「歳出抑制の意思は感じられない」、「問題なのは、税制改正も予算編成も官邸主導で進められ、ほとんど異論も聞かれないことである」などと指摘している。

 毎日新聞も、「借金まみれの危機的な財政を一段と深刻にしかねない内容だ」、「健全化目標という歯止めを欠いたまま歳出をずるずる膨張させた」と断定した。そして「社会保障費が急増する「2025年問題」は目前に迫る。巨額の借金を抱えたまま歳出がどんどん膨らめば、財政は持続できなくなる」と批判した。

 産経新聞は、「消費税の使途変更などを機に、財政規律が緩んだ印象が濃い」とし、「腰を据えた歳出入改革を打ち出してもらいたい」と注文している。

 また、読売新聞も、「当初予算を重視してみせても、補正予算でタガが外れれば元も子もない」、「当初予算の編成時から補正予算を前提とする財政運営は再検討すべきではないか」と言う。

 朝日新聞は来年度予算を防衛費と財政規律の二つの点から論じ、二本の社説を載せた。防衛費のほうは「どこまで膨らむのか」という見出しで、「限りある予算のなかで防衛費が膨張すれば、それだけ財政全体が圧迫される」とし、米国製の最新兵器を次々に購入することが適切なのか、いろいろ問題点があることを明らかにしている。

 一方、財政規律に関する社説は「危機感がなさすぎる」という見出し。景気拡大を前提とする税収増と超低金利政策によって「景気が安定し税収が伸びている時こそ、歳出を見直す好機なのに、緊急時に膨らんだまま抑制できていない」と問題点を挙げた。そして、補正予算という抜け穴にも言及した。「財政再建の歩みが、安倍政権が描いていた道筋から大きく外れている」ことも批判している。

 日本経済新聞は、「財政規律の緩みが心配な来年度予算」という見出し。「税収増加や国債金利の低下を背景に、財政規律がさらに緩むことが心配だ」と述べている。記事では、23日朝刊一面の見出しが「膨らむ歳出 かすむ改革」とある。三面の見出しも「100兆円 成長つながらず」、「1強政治 描けぬ未来図」。五面では「社会保障 懸案素通り」などと全体的に厳しい目で見ている。

 以上、新聞各紙の社説も一般解説記事も、安倍内閣の予算案に対し、概して厳しい目を向けている。年が明けてからの国会の論戦が、こうした問題点にどこまで迫っていくか、注視したい。

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2017年11月19日 (日)

籠池夫妻はいつまで拘置されるのか

 18日、米国の核戦略等を担当するジョン・ハイテン司令官が、トランプ大統領から核攻撃を命令された場合、それが違法なら、従わず、反論すると語ったという。全体主義国家なら、上からの命令に対し、躊躇することなく核戦争の火ぶたを切るのではなかろうか。民主主義の法治国家であるのとないのとでは大きな差違がある。 

 19日のBS-TBS「週刊報道LIFE」は、森友学園の詐欺容疑事件で逮捕された籠池夫妻が長期に拘留されている問題を取り上げ、「人質司法」のおそれがあると指摘した。

 籠池夫妻が大阪地検特捜部に逮捕されたのは7月31日。そして8月21日に詐欺罪で起訴され、9月11日に追起訴された。だが、その後も拘置所にとどめおかれ、釈放されないままだという。そして、家族との接見も許されないという。証拠隠滅のおそれがあるとか、国外に逃亡するおそれがあるという状況でもないのに、起訴後も留置を続けるのは人権の侵害にあたるのではなかろうか。

 沖縄における基地反対運動のリーダー、山城博治氏は昨年10月から5カ月も拘束されたという。そして4カ月半は家族との面会も許されなかった。そんな例などがいくつもあるという。

 その背景には、警察、検察、裁判官のいずれもが取調室での自白を決め手と考えているからだという指摘がされた。しかし、昼間は取り調べ室に、取り調べのない時間は2畳ばかりの狭い部屋に閉じ込められるというのでは拷問に近い。欧米はそうではないという。籠池夫妻の口を封じるかのごときは、全体主義国家に似ている。

 

 

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2017年11月18日 (土)

安倍首相の所信表明に期待したいのだが…

 安倍総理大臣の所信表明演説が行われた。「この国会において、それぞれの政策を大いにたたかわせ、建設的な議論を行いながら、国民のための政策を、前に進めていこうではありませんか」と冒頭に表明した。

 まず、「それぞれの政策を」というのなら、政府・与党の提案する政策だけでなく、野党の提案する政策についても、建設的に議論しようということだと理解する。

 自民党・公明党の連立政権は、これまで、どちらかといえば、数の力で法案を成立させてきた。与党は国会に提出する法案を作成する過程で政府と調整してきた。したがって、国会の委員会では、もっぱら野党に質問時間の大半を与えるのが公正な議事運営だろう。なあなあの八百長質問を与党議員にさせるようなことはあってはならない。さもなければ、安倍首相の言う「建設的な議論」なぞ絵空事である。

 いささかどぎついキャッチフレーズで国民の目を引くのが安倍政治で、今回は「生産性革命」と「人づくり革命」とを打ち出している。保守政党である自民党が”革命”という言葉を用いることで安倍政治の問題点を覆い隠そうとしているようにもみえる。

 その、あいまいにしている問題点の一つが財政健全化だ。安倍政権はこれまで赤字国債などの”借金”を年々膨らましてきた。1000兆円にもおよぶ国の”借金”をどうやって減らしていくのか、所信表明演説で「財政健全化も確実に実現してまいります」というだけで、具体的な方策は一切示していない。またウソか、と思わざるをえない。

 この所信表明で欠落している一つがCOP23に示される地球温暖化問題である。トランプ米大統領がCOPから離脱すると表明したが、日本も、京都議定書などで世界をリードしたことが嘘だったと思われるほど環境問題に消極的になっている。それでいいのだろうか。

 また、太平洋戦争直後の米国による占領から、いまだ真の独立をかちえていない沖縄の人々などに対し、一言も触れていないのはどうしたことか。日米地位協定の改定は提起すべきだろう。

 北朝鮮の核・ミサイル等の問題があるとはいえ、米国に従属しているような卑屈な政権の姿勢は改めてほしい。

 

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2017年11月 7日 (火)

未来への裏切り

 トランプ米大統領の2泊3日の日本訪問が終わった。メディアは、前座を務めた美人のイバンカ大統領補佐官の訪日から始まって、大統領と安倍首相とのゴルフ、日米首脳会談、日本の企業経営者との会談、北朝鮮による拉致被害者の家族との会見などをずっとフォローし、報道した。日頃、駐米特派員の報告では、米国内でのトランプ批判が紹介されることが多いが、今回、トランプ、安倍の2人に対する批判的な報道は少なかった。

 しかし、気になることはいくつもある。北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対して、日米が完全に一体であり、最大限の圧力をかける局面にあるという認識で一致したというが、軍事的な衝突が起きる危険性がないとは言えない。その場合、日本の軍事行動に歯止めがなくなるおそれがあるのではないか。

 トランプ大統領は、日米の軍事行動が一体化することを前提に、米国製の防衛装備品を日本に購入するよう求めたようだ。それに対し、安倍首相は、防衛予算の増大、および米国製装備品の購入増大を是認する発言をした。平和憲法を徐々に形骸化する安倍政権のゆくえは心配だ。

 トランプ歓迎ムードにあった11月6日、沖縄では、キャンプ・シュワブの埋め立て予定海域において、護岸工事が2ヵ所で始められた。7月に希少サンゴが見つかったため、本来なら、移植の許可申請が必要だが、沖縄防衛局は県の審査結果を待たずに着工したとされる。地元の反対を押し切って、トランプ訪日中に強引に着手したことに、安倍政権の日本の軍事力強化の意思を読み取ることができる。

 日本には、米軍が優越的地位を持つ日米地位協定なるものが存在する。これに該当すれば、米軍のヘリなどが墜落したとき、日本の警察が自由に現場に立ち入ることは許されない。空域において、米軍が優先するところがいまなお存在する。こうした植民地的な名残りを是正するのは日本側住民の悲願だが、安倍政権は、それに関心を持たない。トランプ訪日で、どうして、そうした問題を提起しないのか。そこに安倍首相の本音がうかがえる。

 北朝鮮拉致問題に関して、トランプ大統領は今回、拉致被害者の家族と面会した。安倍首相は、これで、トランプ大統領に、この問題の解決をゆだねたと思っているのかもしれない。拉致された人たちが解放されなければ、「米大統領がやってもできなかった」と言い訳できるから。

 トランプ大統領は、日米の二国間の貿易不均衡を改めるよう求めている。TPPから離脱し、二国間のFTAへ、というのが米国のスタンスだ。そのほうが、米国の力づくで不均衡是正しやすいと思っているのだ。

 6日からドイツでCOP23(第23回国連気候変動枠組条約締約国会議)が始まった。温暖化による気候変動は、世界の人々の暮らしや産業などに非常に大きな影響を与える。それを防ぐには、いまから、パリ協定のような国際条約で厳しく排出削減していくようにしなければならない。こうした重要なテーマがあるのに、トランプ・安倍会談で全く触れていない。これは未来への裏切りとでも言うべきか。

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2017年10月15日 (日)

選挙に興ざめしている人が少なくない

 今度の衆議院議員選挙は盛り上がりに欠ける。小池東京都知事が主導する希望の党の出現で、安倍政権打倒の野党統一戦線結成ができなかったからだ。安倍首相の言動は、まともな政治家とはほど遠い。したがって、安倍首相が引責辞任せざるをえない状況に追い込むことが今度の選挙で求められているにもかかわらずだ。

 民進党の分裂・解体で、反安倍の野党候補者が複数立ち、票が分散すると、当たり前のことだが、自民党有利となる。このため、反安倍意識の選挙民の中には、自民圧勝の予測情報を見て、棄権しようかなという人も少なくないようだ。 

 しかし、安倍政権の継続は、日本の現在および未来の平和と繁栄を確かなものにするうえでマイナスとなるだろう。安倍首相は、北朝鮮の軍事的脅威に対しては、米国の軍事力に一体化して対応しようとしているようにみえる。外交的な手段で対立を解消する努力こそが求められているのに。

 また、内政では、国際的な公約までした財政健全化の目標を引っ込めた。失業率などにみる景気の現況はゆるやかながら改善・向上の一途をたどっている。それにもかかわらず、財政の大盤振る舞いをさらに続け、先進諸国の中で、ずば抜けてひどい国の財政状態をさらに悪化させる方向に向かっている。 このほど開かれた主要20ヵ国・地域財務相・中央銀行総裁会議では、財政健全化の重要性を確認したが、日本は、20年度までの基礎的財政収支黒字化の目標を先送りした。

 原発事故の後始末は難航しており、森友・加計学園問題も解明を忌避しているなど、安倍首相は国民を目くらましするような態度をとっている。まともな民主政治からほど遠い国会運営を続けている。

 野党統一戦線は、そうした状況を打破する起死回生の策だった。それができなかったのは歴史に残る痛手だ。

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2017年10月 5日 (木)

選挙の争点にならない財政再建

 10月22日(日)の衆議院議員選挙では、巨額の国債を発行し続ける国家財政をどうやって建て直すか、が主要な争点にはならないようだ。自民党は二度も延ばした8%から10%への消費税引き上げを三度目の正直で実施するようだが、赤字国債の削減に充てる約束はすっぽかし、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化というこれまで言い続けた公約を引っ込めた。これだけ、公約をいい加減に扱う政治家・政党にはあきれ返るが、見方を変えれば、国民・選挙民はなめられているということだ。

 にわかに舞台の中央に立った小池百合子氏の希望の党。これも、2019年10月の消費税引き上げを凍結するという。その政権構想がはっきりしないため、凍結をどう受け止めるか、難しいが、財政健全化を深刻な事態と受け止めているかどうか、多分に疑わしい。

 このままでは、1000兆円を上回っている国と地方の借金残高を減らすどころか、さらに毎年、何十兆円と赤字国債が積み上がる。その行き着く先が財政破綻であり、経済混乱、天文学的インフレなどと想像しうる。日本の将来を明るいものとするために、社会保障や税制などを含めた国家財政再建計画を構想し、選挙公約として打ち出してほしいものだ。

 ところで、世界的に経済の低成長が続いているが、その打開策は、消費の活性化だと中前忠氏(中前国際経済研究所代表)は指摘する(日本経済新聞10月5日夕刊コラム「十字路」)。「消費が強くなると企業の国内売り上げは増え、賃金の引き上げが可能となり、これがまた消費を強くする好循環を生み出す」という。そして、そのためには消費税の撤廃、貯蓄利回りの引き上げをすべきだとし、財政赤字対策は巨額の資金余剰を生み出している企業への増税で対応すればよい、と述べる。

 中前構想は財政破綻を避ける方策としてユニークである。社会保障などの歳出面に厳しくメスを入れることと組み合わせれば、現実的な財政再建策に結実するのではないか。

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2017年9月28日 (木)

窮鼠猫を噛む?「希望の党」と「民進党」の合流

 いま、日本の政治がおもしろい!!

 野党を舐め、国民を軽視する自民・公明の安倍晋三政権にとって、小池百合子東京都知事が設立した「希望の党」に、前原誠司代表率いる民進党が解党的合流に踏み切った”政界再編”は予想外の展開で、大きな衝撃となっただろう。窮鼠猫を噛むとはこのことではないか。

 安倍政権は国会審議で、昨年あたりから、野党の質問にまともに答えないなど、横柄な態度が目立つようになった。連立を組む公明党はひたすら追従するだけ。自民党の国会議員も、首相の強引な政権運営に口を挟むこともない。

 そうした”安倍独裁政治”に対し、国民の不満や批判が高まっているが、それにまともに応える気配はみられない。少子化対策などの新政策を掲げて、国民の批判をそらすという手法をとっている。国会の基本的な役割である、まつりごとの不正をただす機能が働かなくなっているのである。

 そうした中で、民主主義的な議会政治を取り戻すには、どうすべきか。強い野党の出現である。「希望の党」に民進党が解党的に合流するという発想は、それに答える有力な解の一つである。

 「希望の党」はできたてのほやほやであり、改革保守というが、まだ綱領や政策もないに等しい。また、合流する民進党は、リベラル派もおり、従来、これはといった政策も活動実績もないままに推移してきた。したがって、民進党が割れるかもしれない。そうだとしても、合流後の「希望の党」は日本政治の改革にとって大きな布石となろう。政党らしいまとまりをみせ、活発に活動するまでには、かなりの時間がかかるだろうが。

 「希望の党」が中道保守の路線を行けば、いままでの野党と違って、自民党とまともに勝負する可能性が出てくる。安倍首相率いる現在の政治が十月の投票結果によっては様変わりすることが期待できるだろう。

 ただし、東京都知事の役職に就いたままで、中央の政治を操ることができるのか、政治家、小池氏の勝負のときである。

 

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