2018年12月 7日 (金)

教員の長時間労働をどうやって減らすか

 政府の中央教育審議会では、教員の長時間労働解消などの対策について特別部会の答申素案が12月6日に示された(同日の朝日新聞夕刊による)。時間外労働の上限を原則、月に45時間、年に360時間以内にするガイドラインを設けるなど、教員の長時間労働を減らす方策をいくつか提示しているようだ。

 しかし、家族・親戚に小学校教員がいて、働いている実態を見聞きしている者からすると、少し違う観点から、長時間労働減らしを考えてほしいと思う。

 私の住む都内の近隣の小学校では、運動会、学芸会や授業参観などで、ちょくちょく学校に父母たちに来てもらう機会をつくっている。研究授業など、教員の研鑽に資する会合もある。また、地域の催しなどにも教員が関わることがある。それらにまじめに取り組むと、日々の授業の下準備を終えるのが遅くなる。また、毎学期末にかけて、生徒一人一人の通知表を書かねばならない。親からクレームがつき、家庭を訪問せざるをえないこともある。

 このように、教員は忙しすぎる。子どもと触れ合う教師の仕事を楽しんでいる人は、忙しさを苦痛と思わないが、人によっては、あれもこれもと追いまくられて、精神的にゆとりを持てないことはありうる。 

 ではどうすべきか。教員の数を増やすのは現実離れしている。少子化の流れを踏まえれば、一クラスの生徒数を増やし、それによって浮いた無担任の教員(ベテランが適切)がクラス担任の週一日なりの休みのピンチヒッター役を務める。そうしたやりくりが必要ではないか。

 また、教員でなくてもできる業務は、事務員やボランティアに任せることが望ましい。高齢化に伴い、地域で役に立ちたい高齢者は多いと思われる。学校を地域に開放するのと合わせて、ボランティアに学校関連の業務で手伝ってもらうことも考えていいのではないか。

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2018年10月31日 (水)

徴用工の最高裁判決と西欧の植民地主義とを比較考察する

 太平洋戦争中の日本企業が朝鮮半島の朝鮮人を日本の工場に動員したとして、元徴用工が日本企業の新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国の最高裁は個人の請求権を認める控訴審判決を支持した。日韓両政府とも、これまで1965年の日韓の請求権協定により解決済みという立場をとってきたが、強制動員への慰謝料は、政府間協定の対象外という最終的判決が韓国側で出たわけである。

 日韓両政府がこの問題で今後、どのような合意に達することができるか、実に難しい問題だが、世界の植民地支配の歴史を振り返ると、支配者側が、今回のような形で難しい問題を抱えたケースはどれだけあったのだろうか。

 英国、オランダやフランスなどがインドや清国などを支配した歴史など、植民地主義の歴史においては、徴用工動員などと比べものにならないほど、はるかに残虐な行為が行われたとされる。しかし、西欧の植民地支配に対して、今回のように被害者が訴えを起こし、裁判で被害者が勝利するというケースがどれだけあったのだろうか。寡聞にして知らない。

 日本が太平洋戦争で敗北する過程で、ソ連が日本の支配下にあった満洲に侵入した。そして、何万、何十万人という日本の軍人が降伏し、何年も抑留された。彼らはシベリアなどの開発に動員され、極寒の地で、ろくに食べるものもない状態で、大勢が亡くなった。しかし、この残虐な動員について、慰謝料を求める動きはない。生きて帰還できた元軍人たちは、泣き寝入りとも言うべき状況にある。

 世界のこうした歴史を踏まえると、日韓の請求権協定で決着した問題が、ぶり返すというのは、どう理解したらいいのか。両国の関係を正常に保つためには、どうすべきか、考えても答は容易には出てこない。

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2018年8月28日 (火)

役所の本質をあらわにした障害者雇用水増し

 障害者の働く場を増やそうと、国、地方自治体、企業は、法定雇用率以上の障害者を雇う義務があるが、28日、中央省庁の大半が雇用数を水増しし報告していたことが明らかになった。政府(厚生労働省)は、民間企業に対しては、法定数以上、障害者を雇用しているか、障害者手帳などで厳しくチェックしているのに、肝心の中央省庁は障害者の雇用を法定よりはるかに少なく抑えていたのである。そして「遺憾であります」と言うだけ。国民はしらける。

 障害者を雇用したくないという官庁のエゴが露骨に示されたと言っていい。医療、介護、年金などの社会保障、弱者支援などを持続可能なものにすることが政治に課せられた課題なのに、目先の政権維持策しか眼中にない安倍政権のもとでは、官僚たちも公正、透明性などを軽んじるようになっているのだろう。

 この夏、水害、猛暑による山火事、などによる災害が日本だけでなく、世界各地を襲った。マイクロ・プラスチックが世界の海に広がり、魚資源の生存を危うくしていることも明らかになった。こうした地球規模の深刻な事態に対し、日本の政治リーダーたちはほとんど反応しない。イラン、トルコなどに対する米国の居丈高な姿勢や、米中の貿易対立など、さまざまな国家間対立を見ていると、人類の将来に懸念を抱くのも不思議ではない。

 目下、自民党の内輪の権力抗争でもっぱらだが、日本を取り巻く危機は国会・行政がのんびりしていることを許さない。でも、日本の野党には全く危機感がない。

 

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2018年6月25日 (月)

安倍長期政権下のひずみ

 25日の日本経済新聞朝刊を読むと、世論調査(日経とテレビ東京とで実施)で安倍内閣の支持率が52%と、5月下旬の42%より10ポイント上がったという。不支持率のほうは53%から42%に下がったとしている。そして、その理由として「安倍首相の外交手腕に期待が高まったとみられる」としている。

 ところが、その記事の横にある新連載企画「政と官 ゆがむ統治」①は大見出しで「強さ増す官邸 忖度の引き金」と記し、その下に「政策決定見えにくく」と指摘している。長期政権のもと、政策の決定過程がブラックボックス化していると竹中治堅政策研究大学院大学教授は言う。世論調査をどう受け止めるのがいいのだろう。

 朝日新聞の24日の朝刊の「平成落首考」(川柳選者の西木空人氏)は、安倍政権が言葉をもてあそぶことにたけていると指摘。国会答弁などで、「歴史的使命」とか、「働き方改革」などの気恥ずかしいような言葉を次々に繰り出して、政治に対する国民の希望に背いているとみる。安倍首相が内政をおろそかにし、海外にやたら出かけるのを「ウミ(膿)出さず海の外にはすぐに出る」と揶揄した川柳も紹介している。本音ベースの川柳はおもしろい。

 沖縄では23日に日米戦争末期の沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えた。式典に出席した安倍首相は挨拶の中で、米軍基地集中による大きな負担をいまも担う沖縄の現状を何としても変えていかねば、と言い、「できることはすべて行う」と基地負担軽減に全力を尽くす旨語った。言やよし。だが、「できることはすべて行う」というのは、沖縄の負担軽減を優先するという意味か、米軍などの利益を優先する中でのできることに限られるのか。後者なら現状維持だ。

 地元の翁長沖縄県知事は、日本政府が民意を顧みず工事を進めている辺野古新基地建設計画に対し、見直すよう求めている。安倍首相は、日米地位協定の改定をはじめ、沖縄県民および日本国民の真の利益は何か、を突き詰めて考えてみるべきだろう。トランプ米大統領のお友達はいいとして、言いなりの操り人形であっては困る。

 安倍首相は、自民党総裁選で勝って、さらに長期政権を保持しようと野心を燃やしているようだ。まともな国会審議のないまま、多数で押し切る政治手法は、世の中の雰囲気を荒れさせる。最近のさまざまな殺人事件頻発は、国内政治のこうした抑圧のもと、国民の鬱屈した気分が噴出し始めた現われかとも思わないでもない。 

 

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2018年4月 5日 (木)

乏しい国会審議の成果

 森友学園に対する国有地売却問題で、国会は佐川前財務省理財局長の証人喚問を行なったが、証人がまともに証言するのを忌避したため、何の成果も得られなかった。しかし、4月からの新年度入りを境に、森友問題は新聞報道などから姿を消してしまった。これで”一件落着”というわけではあるまいが、野党の攻勢に迫力がないことおびただしい。

 そんな気の抜けた国会に活を入れるかのように、イラクへ派遣した陸上自衛隊の活動報告(日誌)が、実はあったというニュースが報じられた。1年ちょっと前には、探しても無かったとと当時の稲田防衛大臣が言っていたのに、昨年3月に見つかっていたこと、にもかかわらず、上には報告されていなかった、というにわかには信じられない話である。

 軍隊組織では、誰に何を報告すべきか、すべきでないか、が決定的に重要である。安倍総理大臣が憲法改正をめざし、そこに自衛隊の存在を明記しようとしているが、こんな心もとない軍隊では不安だ。小野寺防衛相は真相を究明するとしているが、与野党が一緒になって調べることもあっていい。

 4月からの新年度入りで、国の一般会計などが動き出した。政府案の無修正である。国債の大量発行や、それを支える日銀の超低金利政策や国債大量購入など、いわゆるアベノミクスの継続で、将来の財政破綻のリスクは増大すると言わざるをえない。だが、国会の予算審議などで、歳出や歳入の中身についてどれだけ厳しく審議したのか。

 与党の国会議員で、財政金融分野の重鎮と言うべき人はいない。社会保障分野においても同様だ。また、野党にも、財政金融や社会保障に関する見識を誇れるような議員はいない。財政危機を感知し、適切に対処するよう警告する有力な国会議員を与野党で育てることが国政の課題の1つではないか。小選挙区制度の見直しとともに。 

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2018年3月27日 (火)

国会証人喚問の限界

 森友学園疑惑で、27日、国会は佐川宣寿前財務省理財局長を証人喚問した。この予算委員会のテレビ実況中継を見たが、決裁文書の改ざんに関する国会議員の追及に対し、証人は完全に回答を拒否していた。これには、納得できない視聴者が多かったのではないか。

 憲法第62条で、議案等の審査及びその他国政に関する調査のため、喚問し、証言を要求できるとあり、議院証言法が定められている。

 冒頭、証人として立った佐川氏は「良心をもって、真実を述べ、何事も隠さず、何事も付け加えないことを誓う」と宣誓書を読み上げ、署名、捺印した。そして、委員会の委員長は、国民の関心が強い森友学園への土地売却に関する文書改ざんの経緯などについて証言するよう求めた。

 しかし、佐川氏は、自らが刑事訴追を受けていることを理由に、肝心の点に関して全く答えなかった。虚偽の陳述をすれば3カ月以上、10年以下の懲役を受ける。黙して語らなければ、虚偽陳述には当たらないということだろうか。宣誓書を読み上げたのに、自らの保身を最優先した。

 公文書を改ざんした目的は何だったのか。二度と同じようなことが起こってはならないが、佐川氏の証言は、政治、行政に対する国民の不信を強める一方で終わりそうだ。

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2018年1月 5日 (金)

佐川国税庁長官の記者会見はいまだにしていないんだっけ

 日本税理士会連合会(略して日税連)の会報「税理士界」の1月15日号を読んだ。新春対談「納税義務の適正な実現に向けて  佐川国税庁長官と語る」と題して3ページにわたって、神津信一日税連会長と佐川宣寿国税庁長官の対談が掲載されている。

 佐川長官といえば、昨年7月5日に就任するまでは財務省理財局長だった。学校法人森友学園に国有地を売却する際に、地中に埋まったごみの撤去費用を過大に見積もり、払い下げる土地代を低くした疑いがあるとして、国会で、関係書類の提出を求められたりした。しかし、「書類は破棄された」などと答弁し、証拠隠滅の罪で告発された。

 そんないきさつもあって、佐川長官の就任記者会見は行われず。その後、佐川氏が記者会見をしたという報道は記憶にない。

 しかし、佐川氏は「税理士界」の対談で、「我々の組織では職員に対し風通しの良い職場であるようにということをよく申し上げています。風通しが良いというのは、お互いにきちんと議論し合うということで、会議では、必ず各人の意見を述べてもらうようにしています……この組織で何をしたいのか、この組織をどうしたいのかということを議論してもらうことが重要だと思います」と言う。

 そして「些細な問題でも対応を誤れば、組織の信頼を失ってしまいます。それを防ぐためにも、リスク管理として、必ず上司に報告するよう徹底させています。」と付け加える。

 租税教育の充実に向けた取り組みについても、「次代を担う児童・生徒が、国の基本となる租税の意義や役割を正しく理解し、社会の構成員として、社会のあり方を主体的に考えることは、納税に対する納得感の醸成と民主国家の維持・発展にとって大変重要なことである」と述べている。

 以上、対談で佐川長官の述べたことは至極もっともである。普通に記者会見を行ない、メディアを有効に活用すれば、国民の税に対する認識や理解が深まりやすい。結果として、長官の目指す目標を実現しやすいのではないか。

 それを佐川氏は十二分にわかっているが、真相を闇に葬るという選択をせざるをえなかったのだろう。そうだとすると、長官の仕事を全うする人物として不適格のように思える。

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2017年12月23日 (土)

新聞各紙の社説は政府の来年度予算案を厳しく批判

 安倍内閣は22日、来年度一般会計予算案および今年度の補正予算案を決定した。主だった新聞はどう見ているか、23日の朝刊の社説を読むと、いずれも厳しい目で見ている。

 「政府予算案 目に余る政権の無責任」という見出しの東京新聞社説は、「先進国で最悪の財政状況という現実から目をそらし、小手先の帳尻合わせに終始した」、「歳出抑制の意思は感じられない」、「問題なのは、税制改正も予算編成も官邸主導で進められ、ほとんど異論も聞かれないことである」などと指摘している。

 毎日新聞も、「借金まみれの危機的な財政を一段と深刻にしかねない内容だ」、「健全化目標という歯止めを欠いたまま歳出をずるずる膨張させた」と断定した。そして「社会保障費が急増する「2025年問題」は目前に迫る。巨額の借金を抱えたまま歳出がどんどん膨らめば、財政は持続できなくなる」と批判した。

 産経新聞は、「消費税の使途変更などを機に、財政規律が緩んだ印象が濃い」とし、「腰を据えた歳出入改革を打ち出してもらいたい」と注文している。

 また、読売新聞も、「当初予算を重視してみせても、補正予算でタガが外れれば元も子もない」、「当初予算の編成時から補正予算を前提とする財政運営は再検討すべきではないか」と言う。

 朝日新聞は来年度予算を防衛費と財政規律の二つの点から論じ、二本の社説を載せた。防衛費のほうは「どこまで膨らむのか」という見出しで、「限りある予算のなかで防衛費が膨張すれば、それだけ財政全体が圧迫される」とし、米国製の最新兵器を次々に購入することが適切なのか、いろいろ問題点があることを明らかにしている。

 一方、財政規律に関する社説は「危機感がなさすぎる」という見出し。景気拡大を前提とする税収増と超低金利政策によって「景気が安定し税収が伸びている時こそ、歳出を見直す好機なのに、緊急時に膨らんだまま抑制できていない」と問題点を挙げた。そして、補正予算という抜け穴にも言及した。「財政再建の歩みが、安倍政権が描いていた道筋から大きく外れている」ことも批判している。

 日本経済新聞は、「財政規律の緩みが心配な来年度予算」という見出し。「税収増加や国債金利の低下を背景に、財政規律がさらに緩むことが心配だ」と述べている。記事では、23日朝刊一面の見出しが「膨らむ歳出 かすむ改革」とある。三面の見出しも「100兆円 成長つながらず」、「1強政治 描けぬ未来図」。五面では「社会保障 懸案素通り」などと全体的に厳しい目で見ている。

 以上、新聞各紙の社説も一般解説記事も、安倍内閣の予算案に対し、概して厳しい目を向けている。年が明けてからの国会の論戦が、こうした問題点にどこまで迫っていくか、注視したい。

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2017年11月19日 (日)

籠池夫妻はいつまで拘置されるのか

 18日、米国の核戦略等を担当するジョン・ハイテン司令官が、トランプ大統領から核攻撃を命令された場合、それが違法なら、従わず、反論すると語ったという。全体主義国家なら、上からの命令に対し、躊躇することなく核戦争の火ぶたを切るのではなかろうか。民主主義の法治国家であるのとないのとでは大きな差違がある。 

 19日のBS-TBS「週刊報道LIFE」は、森友学園の詐欺容疑事件で逮捕された籠池夫妻が長期に拘留されている問題を取り上げ、「人質司法」のおそれがあると指摘した。

 籠池夫妻が大阪地検特捜部に逮捕されたのは7月31日。そして8月21日に詐欺罪で起訴され、9月11日に追起訴された。だが、その後も拘置所にとどめおかれ、釈放されないままだという。そして、家族との接見も許されないという。証拠隠滅のおそれがあるとか、国外に逃亡するおそれがあるという状況でもないのに、起訴後も留置を続けるのは人権の侵害にあたるのではなかろうか。

 沖縄における基地反対運動のリーダー、山城博治氏は昨年10月から5カ月も拘束されたという。そして4カ月半は家族との面会も許されなかった。そんな例などがいくつもあるという。

 その背景には、警察、検察、裁判官のいずれもが取調室での自白を決め手と考えているからだという指摘がされた。しかし、昼間は取り調べ室に、取り調べのない時間は2畳ばかりの狭い部屋に閉じ込められるというのでは拷問に近い。欧米はそうではないという。籠池夫妻の口を封じるかのごときは、全体主義国家に似ている。

 

 

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2017年11月18日 (土)

安倍首相の所信表明に期待したいのだが…

 安倍総理大臣の所信表明演説が行われた。「この国会において、それぞれの政策を大いにたたかわせ、建設的な議論を行いながら、国民のための政策を、前に進めていこうではありませんか」と冒頭に表明した。

 まず、「それぞれの政策を」というのなら、政府・与党の提案する政策だけでなく、野党の提案する政策についても、建設的に議論しようということだと理解する。

 自民党・公明党の連立政権は、これまで、どちらかといえば、数の力で法案を成立させてきた。与党は国会に提出する法案を作成する過程で政府と調整してきた。したがって、国会の委員会では、もっぱら野党に質問時間の大半を与えるのが公正な議事運営だろう。なあなあの八百長質問を与党議員にさせるようなことはあってはならない。さもなければ、安倍首相の言う「建設的な議論」なぞ絵空事である。

 いささかどぎついキャッチフレーズで国民の目を引くのが安倍政治で、今回は「生産性革命」と「人づくり革命」とを打ち出している。保守政党である自民党が”革命”という言葉を用いることで安倍政治の問題点を覆い隠そうとしているようにもみえる。

 その、あいまいにしている問題点の一つが財政健全化だ。安倍政権はこれまで赤字国債などの”借金”を年々膨らましてきた。1000兆円にもおよぶ国の”借金”をどうやって減らしていくのか、所信表明演説で「財政健全化も確実に実現してまいります」というだけで、具体的な方策は一切示していない。またウソか、と思わざるをえない。

 この所信表明で欠落している一つがCOP23に示される地球温暖化問題である。トランプ米大統領がCOPから離脱すると表明したが、日本も、京都議定書などで世界をリードしたことが嘘だったと思われるほど環境問題に消極的になっている。それでいいのだろうか。

 また、太平洋戦争直後の米国による占領から、いまだ真の独立をかちえていない沖縄の人々などに対し、一言も触れていないのはどうしたことか。日米地位協定の改定は提起すべきだろう。

 北朝鮮の核・ミサイル等の問題があるとはいえ、米国に従属しているような卑屈な政権の姿勢は改めてほしい。

 

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